〜 記念講演 〜
今回の記念講演は、当日会場となった
（株）帝国ホテル 代表取締役社長 小林哲也さん（20期）に
「帝国ホテル120年の軌跡とおもてなしの心」と題してお話をしていただきました。
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ー プロフィール ー
小林 哲也 （こばやし てつや）
株式会社帝国ホテル 代表取締役社長 社長執行役員
1945年（昭和20年）6月21日生まれ
1969年（昭和44年） 3月 慶應義塾大学 法学部 卒業
1969年（昭和44年） 株式会社帝国ホテル 入社
1989年（平成 元年） セールス部長
その後、宿泊部長、営業企画室長、総合企画室長を経て
2000年（平成12年） 常務取締役帝国ホテル東京総支配人
2001年（平成13年） 代表取締役副社長
2004年（平成16年） 代表取締役社長
2009年（平成21年） 代表取締役社長 社長執行役員
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昨年120周年を迎えた「帝国ホテル」は、明治時代の帝都東京に欧米人が宿泊出来る西洋式ホテルを必要としていた政府の出資で、日本国の迎賓館として建設されたのが始まり・原点であること。あわせてホテルの仕事は、80％以上が接客の仕事であることを基調として数々の「おもてなしのエピソード」を交えてお話をされましたが、講演の骨子を要約して幾つかご紹介します。
１．ホテル業の基本は接客（おもてなし）
であり、収入の80％以上を占めています。高級ホテル（一流ホテル）のブランド力を維持するためには、設備[ハード]・内容[ソフト]・おもてなしの心 [ヒューマン]の三要素が重要となるが、中でも「おもてなしの経験豊かな従業員のサービス精神」がその大半を占めるヒューマンの部分が非常に大切である。
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２．心に残ったお客様
・1929年ドイツの飛行船『ツェッペリン号』が来日、乗客・乗員が宿泊。その60年後の1989年、ツェッペリン伯爵の孫娘と当時の乗員２名が再宿泊された。
・スペイン国王カルロス１世が新婚旅行世界一周の折に宿泊され、46年後の2008年 国賓として来日、帝国ホテルに再宿泊（当時迎賓館は改修中のため）された。
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３．帝国ホテルの「おもてなし」の心
についてかつて月刊誌『文藝春秋』掲載の同ホテル広告を引用し説明されました。
「ポケットマネーは一万円」〜お客様の両替希望に即刻対応できるよう、社員は千円札5枚と五千円札１枚をポケットに常備しています。
「紙屑はもう一泊」〜客室の紙屑は回収後すぐに破棄せず、一晩置くことでお客が誤って破棄した場合に対応できる。
「花嫁の力水」〜結婚式開始直前、極度に緊張している花嫁の気持ちを落ち着かせるため、コップ一杯の氷水にストローを添えてお出しする。
「モーニングコールはもう一度」〜二度寝防止のため、初回コールの３分後にもう一度コールする。
・・・・・以上全てが現場の経験から生まれた伝統のサービス。
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４．ホテル従業員は常に明るく・素直で・謙虚、
加えて人との出会い（縁）を大切にすることが重要であり、それを行動に移すことを求められる。
今年３月11日大震災当日の帰宅難民にホテルのロビーを開放、水・パン・毛布・スープ（翌朝）を無償提供し大変感謝された。
・・・・・これら一連の判断・行動が上司の指示ではなく、従業員がそれぞれの立場で自主的に行動した結果である。
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最後に、座右の銘とも言うべき
神よ！
「変えるべきものを変える勇気」と
「変えてはならないものを守る心の広さ」と
「変えるべきものと変えてはならないものを判断する知性」を
与えたまえ！！
という、ある神父の言葉で講演を終えられました。
そして、会場の皆さんも感銘を受けた様子で大きな拍手を送られていました。
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